キャンプで楽しいひと時を過ごした後、余った薪をどう保管するか悩むことはありませんか?薪は常に余裕を持って準備したいものですが、保管場所には頭を悩ませることも。
適切に保管すれば薪は再利用が可能ですが、家の中での保管は避けたほうが良いでしょう。
一般的に庭がある家庭では薪を屋外に置きますが、マンション住まいの場合はどうするべきでしょうか?
本記事では、マンションで薪を適切に保管する方法、室内保管の問題点、理想的な薪棚についての3つのポイントを解説します。
マンションのベランダを使って薪を保管する方法
マンションでキャンプ用薪を保管する場合、ベランダが最も適しています。薪の理想的な保管条件について詳しく解説します。
薪の最適な保管方法とは?
キャンプで使う薪は湿気を適切に管理することが重要です。新しく割った薪は約50%の水分を含むため、そのまま使用すると爆発的な燃焼やすすが多く発生することがあります。
市販の薪は大体20%の水分まで乾燥されており、適切な保管がなされていないと着火が難しくなります。薪は風通しが良く、雨がかからない場所に置くことが大切で、日光が当たるとさらに良いです。薪は直接地面に置かず、薪棚(ログラック)を利用して保管します。
ベランダで薪を保管するコツ
マンションのベランダで薪を保管する際のコツは以下の通りです。
- 薪棚を高いブロックやレンガの上に設置し、薪を積む
- 梅雨時にはカバーをかけて薪に直接雨が当たらないようにする
- 木の皮がついている面を下にして一定の方向に積む
薪棚を設置する際には、カビや腐敗、虫害を防ぐために、重たいブロックやレンガを基礎として使用します。ベランダの床がコンクリートであっても、直接地面に薪を置くのは避けるべきです。
梅雨時に屋外で保管することが推奨されている中で、暴風雨の予想される時にはカバーをかけることが重要です。
専用のカバーやレジャーシートを使用し、過剰に覆わずに屋根のようにして薪を固定することで、風通しを最大に保つことができます。ベランダのサイズに応じて、限られたスペースでの積み方に調整が必要です。
室内での薪保管はなぜ避けるべきか?
「少量の薪だし、エアコンで調整された室内なら大丈夫では?」と思うかもしれませんが、実は室内での薪保管は推奨されていません。
室内で薪を保管すべきでない主な理由
薪を室内で保管することにはいくつかのデメリットがあります。
室内保管が適さない理由
- 湿気の吸収
- 木屑の発生
- 虫の発生や幼虫の孵化
室内の湿度が高い場合、薪は容易に湿気を吸収します。特に新築の家では、建材がまだ湿気を保持していることが多く、湿った薪が昆虫の住処となるリスクもあります。
薪には自然と虫や幼虫が潜んでいることが多く、室内で保管していると、それらが成虫になってしまうことがあります。長期間虫に住みつかれた薪は、内部が食い荒らされ、薪としての品質が低下します。また、薪からは木屑が発生し、掃除の手間が増えます。
これらの理由から、特に虫が苦手な人にとって室内保管は適していません。
保管場所がない、または薪を処分したい場合
「少量でも、キャンプシーズンが終わった後に薪をベランダに置いておくのは邪魔だ」と感じることがあるかもしれません。虫への懸念を考慮すると、ベランダでも保管したくないと思うこともあるでしょう。その場合、薪を処分することも考えられます。
薪の処分方法は自治体によって異なりますが、燃えるゴミとして出すか、粗大ゴミとして地域のゴミ収集所に持ち込むのが一般的です。処分方法は、地域のゴミ出しルールや役所で確認してください。
また、次のキャンプシーズンが遠い場合やキャンプの予定がない場合は、キャンプ場で薪を使い切るという方法もあります。消灯時間の約1時間前から薪を燃やし始めると、帰りの荷物も減らせます。
薪棚を活用した薪保管術
薪を整理して効率的に保管するには、薪棚(ログラック)が非常に役立ちます。
薪棚を選ぶ際の重要なポイントは、高い通気性、適切な耐荷重性、そして屋外で使用しても錆びにくい素材であることです。
DIYが趣味の方には、自作の薪棚を作るのが楽しいプロジェクトになり得ます。
DIYで自作の薪棚を作る方法
X(旧:Twitter)やYoutubeでは薪棚の作り方が紹介されています。とあるアマチュアの方が実践している方法は、幅約30センチのすのこ板を2枚取り、それらを内側に向けて立てて並べ、下部を板で連結するというものです。完成した枠をコンクリートブロック上に設置し、その中に薪を積み重ねます。
自分で薪棚を作ることに興味がある方は、「薪棚 DIY 設計図」で検索してみると、様々な設計図や動画ガイドが見つかります。DIYは購入するよりコストを節約でき、そのため人気があります。
市販の薪棚の選び方
DIYが苦手な方や、より頑丈な製品を求める方には市販の薪棚がおすすめです。一般的な薪1束の重さは約6〜7kgで、市販の薪棚はこの重さを支えられる設計になっています。
ホームセンターやアウトドア用品店で見つかることが多いですが、車がないと持ち帰るのが大変です。その場合はオンラインでの購入が便利です。送料がかかることもありますが、商品が直接配送されるため、手間が省けます。
薪の保管についての重要ポイント
- 薪の保管は屋外が最適です。
- マンションに住んでいる場合は、ベランダが薪の保管に適しています。
- 適切な保管を行えば、薪は何度も使用可能な資源です。
- 保管する際は湿気を避け、風通しの良い、雨がかからない場所を選びましょう。
- 薪を直接地面に置くのは避け、カビや腐朽、虫害のリスクを低減しましょう。
- 湿気や虫、木屑の問題があるため、室内での薪保管は避けるべきです。
- ベランダのスペースが限られている場合は、薪の処分や使い切ることも検討しましょう。
- DIYで薪棚を作れば、コストを抑えることが可能です。
- 市販の薪棚は重くて丈夫ですが、オンラインで購入すると便利です。
薪はキャンプ時に焚き火や料理に欠かせないアイテムです。広葉樹と針葉樹では燃焼速度が異なりますが、どちらも乾燥を保つことと、日当たりと風通しの良い環境での保管が重要です。
マンションではベランダを、一戸建てでは屋根のある場所を利用するのが最適です。適切な保管方法を心掛け、自然を楽しむキャンピングライフをより充実させましょう。