子供の頃、「明日天気になーれ」と願いを込めて、身につけていた靴を空高く投げた記憶はありませんか?また、時代や場所によっては、靴の代わりに下駄を使って天気を占う人もいたかもしれません。
この記事では、そのような伝統に根差した天気予測法の名前と、その具体的な実施方法について解説します。
「明日天気になーれ」という天気予測方法の呼び名は?
この方法に正式な名前があるわけではありませんが、
靴を使った予測は「靴飛ばし(くつとばし)」「靴投げ」、下駄を使った場合は「下駄占い(げたうらない)」とも言われています。
他にも、「明日天気(あしたてんき)」や「天気占い(てんきうらない)」と呼ばれることもあります。
靴飛ばしで天気を占う方法
「下駄占い」や「靴飛ばし」「靴投げ」で天気を占う方法は、以下のステップに沿って行われます。
靴や下駄を空に投げる
「明日は晴れるといいな」という願いを込めて、履いている靴や下駄を空高く投げます。このとき、靴や下駄の先を軽く掴んで遠くへ飛ばせるようにすることがコツです。
この際に唱える言葉は地域や時代によって異なり、「明日天気になあれ」や「雨か天気か雪、霜か」といった様々な言葉が使われます。
投げた靴や下駄で天気を占う
地面に落ちた靴や下駄の向きから翌日の天気を読み取ります。主な結果としては以下の3パターンがあります。
靴や下駄が横向きになっている(側面が見える状態):曇り予報
靴や下駄が下向きになっている(底や歯が上):雨予報、場合によっては雪や風を示唆
さらに、ブランコを使って靴を飛ばし、その飛距離を競う「靴飛ばし」という遊びもあります。この遊びは距離を競うだけでなく、天気予測の手段としても活用されることがあります。
この遊びには明確なルールはなく、飛距離を競うもの、天気予測を主目的とするもの、最も遠くへ飛ばした人の靴で天気を占うなど、様々な遊び方があります。
靴飛ばしのルーツと背景
「靴飛ばし」や「下駄占い」のような天気を占う習慣はいつから始まったのでしょうか?
その起源や背後にある歴史については明確な答えが存在せず、複数の説があります。
これらの習慣が海外にも見られるかどうか調べたところ、これらは日本独自の文化である可能性が高いことがわかりました。
神事に由来する説
いつからかは定かではありませんが、雨を願う「雨乞い」や晴天を望む「日乞い」のような神事が、一般の人々の間にも広がったのではないかとされています。
これらの儀式で履物や下駄が使われていた可能性はありますが、その具体的な方法については記録が残されていません。
高下駄が起源という説
平安時代、悪天候時に泥から足を守るために「高下駄」を使用していたことが、天気予測の慣習につながったという見解もあります。
「高下駄」は、晴れを願う意味合いで「足駄(あしだ)」とも呼ばれ、これが「明日晴れますように」という願いと結びつき、天気予測の方法へと発展したかもしれませんが、その詳細は不明です。
子供の遊びが起源という説
明治時代には草履が普通の履物で、下駄が広く使われるようになったのは大正から昭和初期にかけてのことです。
下駄の普及により、子供たちが下駄を蹴り上げる遊びが流行し、それが天気を占う「下駄占い」へと発展したと言われています。
そして、戦後に靴が一般的になると、「下駄占い」は「靴飛ばし」へと変わったと考えられています。
まとめ
「明日の遠足で晴れるといいな!」や「運動会に晴れが来ますように!」といった願いをこめて、重要なイベントの前に靴を投げて天気を占う習慣は、多くの人が一度は試したことがあるかもしれません。結果が期待通りにならなくても、何度も試みる人も少なくないでしょう。
科学的な裏付けはないものの、靴や下駄を使って天気を占うという行為は、子どもたちにとって楽しい遊びの一つとして、これからも受け継がれていくでしょう。