旅館の窓際の謎スペースの名前は?例のスペースにはどんな意味があるの?

豆知識
スポンサーリンク

旅館やホテルに滞在した際、窓際に椅子やテーブルが置かれた一角を目にしたことはありますか?

このユニークなスペースがどういった目的で設けられているのか、その秘密に迫ります。

スポンサーリンク

旅館の謎スペースの名前と意味

旅館の窓際に設けられているこの独特なスペースは、「広縁」と称されます。

広縁とは、伝統的な縁側に比べてより奥行きが広く取られていることを意味し、縁側自体が日本の建築において屋内と屋外を結ぶ木製のエリアであることを指します。

通常の縁側は奥行きが約90cm程度ですが、広縁はその約120cm以上となっており、より広い空間が特徴です。

和室に広縁が誕生した由来

日本の伝統住宅では、屋外へと続く外廊下が家の周りに設けられているのが一般的でした。これは、照明が十分でなかった時代、自然光を室内に取り込むための工夫でした。

明治時代に入る前の旅館も、このような建築スタイルを採用しており、外廊下を多用していました。

しかしながら、照明技術の向上により、廊下を室内に設けることが可能になり、従来の外廊下の場所は壁で仕切られて新たな居住空間として取り込まれるようになりました。

この変遷が、縁側や広縁の誕生につながったわけです。

また、明治時代以降、海外からの来訪者が増加し、プライバシーを重視する西洋式の個室への需要が高まりました。

従来の日本の宿では大部屋での宿泊が普通でしたが、西洋風の個室を提供する施設が増えていきました。この動きに伴い、以前は外廊下だったスペースが広縁へと変わり、外国人観光客も含めた訪問者が快適に過ごせるよう、椅子やテーブルが設置されるようになりました

こうした経緯を経て、現在では旅館やホテルの和室において、ゲストがくつろげる広縁が一般的な設備として取り入れられるようになったのです。

広縁がもたらす様々なメリット

広縁は、昔の外廊下が変化してできたスペースで、今でも大きな価値を持っています。その理由をいくつか挙げてみましょう。

① 畳の耐久性向上

広縁があるおかげで、室内の畳に直射日光が当たるのを防ぐことができます

これにより、畳の色あせや劣化を効果的に防ぐことが可能です。

② 部屋を広く見せる効果

広縁を設けることで、室内が実際以上に広く見えるという効果があります。

これは、視覚的な錯覚を利用して、居住空間を開放的に感じさせます。

③ 断熱性の向上

広縁と居間を障子やふすまで仕切ることで、外部と室内の温度差を和らげる空間ができ、断熱効果が期待できます

これは、一年中快適な居住環境を保つのに役立ちます。

④ 椅子置き場としての利便性

和室では畳の上に椅子を置くことは一般的ではありませんが、広縁なら椅子を置くことができます

これは、畳に座るのが難しい外国人観光客や、身体的な理由で畳に座れない人々にとって、快適に休める場所を提供します。

まとめ

和室の奥に見つかる謎めいた空間が気になっていた方々に、その原点が昔の廊下だったということが解明されました。

旅館での畳の上でのリラックスは滞在の楽しみの一つですが、広縁で椅子に座り、静かに外の景色を楽しむこともまた、格別な体験をもたらします。

次に旅館やホテルに宿泊した際に広縁があれば、その由来や現在の目的について思いを馳せてみるのも良いかもしれません。

タイトルとURLをコピーしました